TOMOX NEW YORK

ニューヨークで生活する日本人アーティストの日々の徒然日記。 ニューヨーク情報もお送りします。

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ここのところちょっと更新マメ。
なんつって、全然最新ネタじゃなくてお気に入り映画の話ですけど。


この映画のオリジナルタイトルはAlmost Famous。
邦題の「あの頃ペニー・レインと」と全然違う。
でもこれはとても良い邦題だと思う!
この青春映画のセンチメンタルさが邦題に溢れてます。


邦題から想像できるように、男の子から大人になってゆく主人公のほろ苦い初恋物語であり、当時のロックミュージックシーンの回顧録であり、使われている音楽群が素晴らしい音楽映画でもあり、監督の青春自伝映画でもあります。
監督は主人公の設定通り、15歳でローリング・ストーン誌の記者になったキャメロン・クロウ。
音楽監修は監督の奥さん、ハートのナンシー・ウィルソン。
権利関係にウルサいレッド・ツェッペリンが、初めて映画に音楽を使用されることを許したのがこの映画です。


これは個人的にすごく思い入れのある映画なんですね。
監督のキャメロン・クロウは私より4つ5つ年上なだけでほぼ同世代なんです。
音楽を聴きだしたのが、「ウッドストック後・パンクの出て来る前」。
聴いてる音楽も世代的に似通ってる訳で、この映画の中に出て来る逸話のモデルになったミュージシャン達にも共通項があるので、私にとってもどこか「自分の個人的な物語」になってしまってるんですよ~。
(キャメロンはオンタイムでファンとして且つ仕事としてミュージシャン達に会い、私はその頃からファンとして彼らのことを見聞きして後に実際会った人もいる、と全然スタンスは違うんだけど)
主人公のお姉ちゃんが家を出る時に、弟のベッドの下にLPレコードをたくさん残して行くんだけど、そのLPジャケットもいちいち見覚えのあるものばかり。


でもそういう個人史のカブリだけじゃなくて、純粋に青春映画としても胸キュンです。
主人公はロックスターとはかけ離れた素朴なお子ちゃまルックスのオタクな男の子。
そんな彼がロックスターの周辺にいるゴージャスな10代の女の子に恋をする....
映画のシーンのひとつ、ひとつがキラキラしていて、ティーンエイジャーの頃の柔らかい気持ちを思い出して、わざわざ泣かせるようなシーンはひとつもないのに、胸が痛くなったり。
でも全体的に優しい空気のある映画。
最後は皆が未来に向かって歩み出すので、観終わった後の気分もいい。


それにしても、ティーンエイジャーの頃にロックファンとして過ごしてきた女子としては、ペニー・レインに共感を感じないではいられません。
彼女の設定はいわゆるグルーピーなんだけど、ひとりの音楽愛好家であり、恋をして傷つくまだティーンエイジャーの女子なので、素直に感情移入できます。
ロックファン女子って、行動は伴わなくてもグルーピーメンタリティの持ち主なんですよ。
そうじゃない人は、男子としてロックを聴いてるのよね。
(私はロックファンとしては両性具有者なので、男子としても聴いてます)
ケイト・ハドソンみたいにとびきり可愛くなくても、ロックバンドのメンバーに恋したり、追っかけたり、友達になったり、ちょっと恋仲になったり、って経験がある女子には、身につまされる切ない話なはず。


ちなみに、ケイト・ハドソン母のゴールディー・ホーンも「The Banger Sisters」で元グルーピーを演じてるので、母娘2代に渡るグルーピー女優ですね。
カッコイー!(あ、オイラだけの感想?笑)


で、このペニー・レインちゃん.....実物のモデルがいます。
本物のペニー・レインのサイトはこちら
彼女はベベ・ビュエルのようにステイタス志向の野心家女子ではないんですね。
自分でも、バンドとツアーに出かけてロックライフを満喫するのは17歳から20歳まで、と決めていたそうです。
ストイック!潔い!
未だにツアーとか、バックステージとか、ツアーバスとか聞いただけでワクワクしちゃう私のような享楽的女子から見ると、その潔癖さは驚異的です。
一度楽しい思いしちゃうと、一線は退いてもなかなか完璧に引退できない人の方が多いんだけどね。


ペニー・レインのその後はアッサリと一線を退き、故郷に帰って暮らしているようです。
この映画を撮る時に、キャメロン・クロウはペニー・レインに27年ぶりに電話をしたそうで、一体2人は何を喋ったんですかねー。


映画の中で主人公のウィリアムが同行しているバンドのギタリストからなかなかインタビューが取れずに悩み(これは実際にキャメロン・クロウがジミー・ペイジからインタビューが取れずに悩んだ経験が元ネタだそう)、ツアーバスの中で「僕、家に帰らなきゃ.....」とこぼすシーンがあります。
その時にペニー・レインが

「You are home.」

って彼に言うシーンがあるんですね。
これを見てあううううう~~~~気持ちは分かる、分かるけどそれは幻想なんだよ~~~って胸を痛めながら大人の私は思いました。(T△T)


ロックバンドのツアーって、ツアースタッフ全体が大きな家族のようなもの。
旅は先生のいない修学旅行のようなもの。
すぐに友達が出来て、同じ音楽を好きなもの同士仲良くなって。
映画の冒頭の方で、初めてバックステージを訪れたウィリアムも、帰る時にはいろんな人にタメグチを叩いてます。
そんなツアーはとても楽しいし、永遠に続くかのように思えます。


でもそれは現実の家族じゃない、ツアーが見せてくれる幻想に過ぎない。
ツアーの間しか存在しない時間であり、家族であり、恋仲でしかないのです。
皆、ホームタウンに帰れば本当の家族がいて、恋人がいて。


まだ10代のペニー・レインは、その事を頭では分かっていても、気持ちはその幻想の中に生きてしまっているんです。
そしてツアーの終わりかけに、彼女は大きなハートブレイクを体験します。
そうやって、やっと彼女は大人になっていく訳ですね。


ではツアーの仲間の結びつきはと言うと、純粋に音楽です。
喧嘩の多いツアーバスの中で誰かが「Tiny Dancer」をかけて、ひとりずつ歌い出して、最後には大合唱になるシーンがそれを象徴しています。


この映画、ツェッペリンのトリビアに満ちていて、ZEPファンとしても楽しめます。
冒頭近くでバックステージから飛び出してくる女の子のセリフ「Does anybody remember laughter?」はZEPファンなら知らない人はいない、「天国への階段」でロバート・プラントが必ず口にするセリフ。
劇中のバンドStill Waterのラッセルが「I am a golden God!!」と叫んで屋根からプールに飛び込みますが、これも実際にLAのハイアットハウスのベランダで酔っ払ったロバート・プラントが叫んだ逸話があります。
撮影しているのも実際にツェッペリンが泊まっていたハリウッドのHyatt House(通称Riot House、現在のHyatt on Sunset)、ニューヨークのホテルのThe Drake(現在はDrake Swissotel)で行われていて、監督は当時のロビーを再現するために、ハイアットが新しく作っていた壁を壊し(!)、70年代らしい大道具小道具を持ち込んでいるとか。


劇中のバンドの演奏指導に当たったのがピーター・フランプトンで、彼はこの映画の中だけのバンドの為に演奏曲を書き下ろしています。なかなか良い曲です。


また、StillwaterのモデルはAllman Brothers Bandだそうです。
実際にこのバンドがローリング・ストーン誌でのキャメロンの初仕事でした。
ただ、バンドとしての音楽性は劇中バンドとは全然違います。


ケイト・ハドソンはその後の出演映画でもカワイイんだけど、ここまでキラキラした彼女はその後見られないんですよねー。
ペニー・レインは本当に彼女のハマり役でした。
この映画のオーディションに受かるために、わざわざ髪型をロバート・プラント風にしたそうです。
似合ってるし、当時のファッションも可愛い。


思い入れがありすぎて文章も長くなりすぎたっす(笑)。
そのうちまた、ニューヨークネタに戻ります。




追記。映画で使われた音楽。リスト長いぞ~(笑)

"Almost Famous" music

"The Chipmunk Song" The Chipmuknks
"The Oogum Boogum Song" Brenton Wood
"America" Simon & Garfunkel
"Sparks" The Who
"Search And Destroy" The Stooges
"It Wouldn't Have Made Any Difference" Todd Rundgren
"Paranoid" Black Sabbath
"Teacher" Jethro Tull
"Roudabout" Yes
"I've Seen All Good People:Your Move" Yes
"Feel Flows" The Beach Boys
"River" Joni Mitchell
"Fever Dog" Stillwater
"Sweet Leaf" Black Sabbath
"Every Picture Tells A Story" Rod Stewart
"Small Time Blues" Pete Droge
"Easy To Slip" Little Feat
"Go All The Way" The Raspberries
"Mr. Farmer" The Seeds
"One Way Out" The Allman Brothers Band
"Hour Of Need" Stillwater
"Simple Man" Lynyrd Skynyrd
"Albert Flasher" The Guess Who
"Love Thing" Stillwater
"That's The Way" Led Zeppelin
"Future Games" Fleetwood Mac
"Everybody Knows This Is Nowhere" Neil Young
"You Had To Be There" Stillwater
"Burn" Deep Purple
"Tiny Dancer" Elton John
"Reeling In The Years" Steely Dan
"Dear Jill" Blodwyn Pig
"Love Comes And Goes" Stillwater
"VooDoo Child (Slight Return)" Jimi Hendrix
"Looking At You" MC5
"Slip Away" Clarence Carter
"I'm Waiting For The Man" David Bowie
"The Wind" Cat Stevens
"Wishing Well" Free
"Mona Lisas And Mad Hatters" Elton John
"Misty Mountain Hop" Led Zeppelin
"My Cherry Amour" Stevie Wonder
"Cortez The Killer" Neil Young
"The Rain Song" Led Zeppelin
"Bron-Yr-Aur" Led Zeppelin
"Tangerine" Led Zeppelin


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almost famous



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テーマ:昔の映画 - ジャンル:映画
コメント

ケイト・ハドソン、かわいいよな。
お母さんもおばちゃんやけど、かわいい人ってカンジがして好き。

綺麗な女の人は勿論好きなんやけど、自分にないようなとこに魅力を感じるってのは男女関係ない?

ケイト・ウインスレット好き(苦笑)
あの豊満なボディがなんとも羨ましい(笑)

ああ、私のコメントは薄っぺらい・・・。
2009/06/16(火) 21:47:15 | URL | 妹妹 #-[ 編集]

うちはブルーレイなので(自慢!)ぜひ借りるズラ!
2009/06/16(火) 21:49:03 | URL | 妹妹 #-[ 編集]
>妹妹ちゃん
ケイト・ハドソン、キーラ・ナイトレイと張り合う胸ペッタンコ女優やけどな(笑)、カワイイ。
お母さんもおばちゃんどころかおばあちゃんかも知れん年代やけど、すごいカワイイよね。

ケイト・ウィンスレット、私も好き!
豊満つうか、結構ガッシリ系体格に見えるけど、身体も顔も意志の強さを表してるような、情熱を秘めた女性って感じなのに知的でねー。
で私、ケイト・ブランシェットも好きなの。
彼女にしかない優雅なムードを持ってて、知的で品があるのに色っぽくて、あんなに綺麗なのに子供たくさんいて。

綺麗な人、美人でなくても魅力的な女性、憧れるしそりゃ好きさ~。
あと、スタイルのいい人......自分にないからこそ、強く憧れます(涙)
2009/06/17(水) 05:14:29 | URL | tomox #-[ 編集]
>妹妹ちゃん
あ、そんでブルーレイね。
ぐー、うらやまじー。
もうちょっと安くなったら欲しいなあ。
ていうか、フツーのDVDレコーダーも壊れたままだわ、オイラんち(涙)
2009/06/17(水) 05:15:48 | URL | tomox #-[ 編集]

もうすぐ日本で公開されるケイト・ウインスレットの「本を読む女」←多分おお嘘。何やったけ???
あれ、見たいなぁ。

少年との恋物語なんよね。
きっと官能的なんやろうな~(勝手に想像、おっさん状態)
2009/06/18(木) 22:30:55 | URL | 妹妹 #-[ 編集]
>妹妹ちゃん
そんなタイトルなんちゃう?
こっちでは"The Reader"やった奴でしょ?アカデミー賞取った....

へー、少年との!
全然知らんねんけど、ちょっと興味が(^^;;)
2009/06/19(金) 21:10:18 | URL | tomox #-[ 編集]

やっぱりタイトルはおお嘘やった(笑)

最近、こんなん多いねん。雰囲気だけ覚えていて正確な題とか思い出せないねん。

英題はそうや、poppetちゃんの言う通り。
邦題は・・・「愛を読む人」

ベルンハルト・シュリンク「朗読者」が原作やって。

映画は作りが「雑」って意見もあるけど見たいな。
原作読んでからがいいのかも。

時々こんな嘘あるけど許して~v-222
2009/06/19(金) 22:50:49 | URL | 妹妹 #-[ 編集]
>妹妹ちゃん
「本を読む女」って林真理子の小説やったような。

私はブログに書く時はなるべく裏を取るようにと思ってるんだけど、取らない時で書くことも多いしケッコーいい加減よ。
実生活だともっといい加減。記憶せえへんもん。
2009/06/20(土) 13:27:16 | URL | tomox #-[ 編集]
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